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14:『阿Q正伝』

阿Q正伝 阿Q正伝
増田 渉、魯迅 他 (1961/04)
角川書店

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『阿Q正伝』
角川文庫
魯迅 著 増田 渉訳
202ページ

題名にもなった『阿Q正伝』を始め、全部で9話の短編集。
魯迅が見た当時の中国の、貧しさや怒りなどが見える。
国に対して平等や自由を訴えているような話も多い。貧しいが故に盗みをしたり、人をだましたりする人々の、心の荒みようを嘆いている。
魯迅のような教養のある人達は、そういった貧しい人々の嫉妬などにより肩身の狭い思いをしていたようだ。
訳も非常にわかりやすく面白い。(おそらく角川文庫だからだと思う)
一つ一つの話が短く、内容も意外性が多く、どんどん読める。

一部紹介。
『狂人日記』・・・人が人を食う、自分もいずれ食われるのではないかという被害妄想に悩む男の話。文字通り「人が人(人肉)を食う」恐怖と、「人を食う」世の中への恐怖。
『故郷』・・・幼き頃、親しく遊んでいた友人、ルントウは不思議な魅力を放ち、主人公の心にいつまでも残っていた。都会で仕事に成功し、田舎を去る事になった主人公は、二十年ぶりにルントウに再会する事になった。しかし、彼は対極的な貧しい状況で、子供のころの輝きを失ってしまい、親友であった主人公を、「旦那さま」と呼ぶようにまでなっていた。
貧しさ故、荒んでしまう人の心を悲しむ主人公。
その前で、無邪気に遊ぶ、主人公の甥とルントウの息子。
その二人の姿が、将来の希望を暗示しているようだ。
『眉間尺』・・・独裁者に殺された父の仇を討つべく戦う男の話。
王の生首、眉間尺の生首、仲介者の生首が、煮え立つ鍋の中で戦う。
昔話特有の不気味さを持つ。

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