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10:『幸福な王子』
- 2006-03-08 (Wed)
- ワイルド
![]() | 幸福な王子―ワイルド童話全集 西村 孝次、ワイルド 他 (1968/01) 新潮社 この商品の詳細を見る |
『幸福な王子』
新潮文庫
オスカー・ワイルド 著
西村孝次 訳
275ページ
童話集。全9話。
文章が古くて、やけに道徳的で、懐かしいかんじ。
愛は富にも勝るとか、献身的な愛は美しいとか言った内容が多い。
キリスト教って、こういう教えなのかなって思った。
どれも記憶に残る内容だが、『王女の誕生日』という話が特に印象的。
美しく、12歳になったばかりの王女の誕生日、催し物として、小人が踊った。醜い小人を玩具のように気に入った王女。一方の小人は本気で王女に恋するが、今まで意識していなかった自分の醜さに気付き、『心臓が破れて』しまう。王女はつまらなそうに『これからさき、あたしのところへ遊びにくるものは、心臓のないものにしてね』と叫んだ。
『心臓が破れる』という表現はよくでてくる。愛でハートが張り裂けるというせつなさを表現しつつ、命をもかけた究極の愛を表現していて、美しい。
王女の言った最後のせりふが本当に印象的。世間知らずな可愛らしさや、子供の持つ無邪気な差別の残酷さを感じる。
繰り返しの表現や、おおげさな美しさなど、童話らしい童話で楽しかった。
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