Home > 村上 春樹、柴田 元幸
村上 春樹、柴田 元幸 Archive
46:『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
- 2006-09-25 (Mon)
- 村上 春樹、柴田 元幸
![]() | 翻訳夜話2 サリンジャー戦記 村上 春樹、柴田 元幸 他 (2003/07/19) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
ホールデン少年が語りかける「君」とはいったい誰なのか?
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」って、何がテーマなんだろう。
「キャッチャー」の翻訳を行った村上春樹氏と、翻訳においてのパートナーであった柴田元幸氏の対談。
さらに、村上春樹氏による、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」訳者解説もあり(サリンジャーとの契約により、氏による翻訳の「キャッチャー」には、訳者解説を載せる事ができない)。
「キャッチャー」が好きな人には、是非お勧めしたい本。
サリンジャーの人物像も見えてくるので、また、改めて読み返すきっかけにもなると思う。
また、翻訳作業の裏話なども知ることができて、面白い。
「you」をどう訳すかなどはとても興味深い。
ホールデンは、どういう気持ちでその言葉を発したのか。ただのリズムのために発したのか。たとえば「cool as a cucumber」を、「とてもクール」と訳すだけでその言いたかった雰囲気は伝わるのだろうか、などなど。
ものすごく面白い。
これ自体が、「キャッチャー」のホールデンによる小説と言っても良いと思う。「本当はこんな事、言いたくないんだけどさ・・・」と、彼が語りだしそうな、そんな感じ。
もー、ホールデン君ったら、そんな事悩んでたの?みたいな。
なんというか。
「わたしもそうだよー」と恥ずかしながら思えるというか。
しかも、村上春樹、あなたもそうではないですか?といいたくなるような。
いやー、面白いですよ。
それしか言えなくてごめんなさい。
本当に面白い。
面白いからすぐに読める。
そうね、あと思ったのは、
「キャッチャー」が好きって、大声で言える時代になってよかったな。
って事。
「人は誰しも、そういう時代の記憶を自分の中に幸福な原風景みたいにこっそりと持っていて、この本を読むと、三十の人が読んでも、四十の人が読んでも、その風景の中にすっと戻っていけるという感覚があるのかもしれないですね。それが心地よいのかも知れない。自分の足場を取っ払って、ふらっと流動化しちゃうということで。」
永遠の青春文学は、とても危険です。
あらためて、そう思う。
毒は、甘いのだ。
- Comments: 0
- TrackBack (Close): -
Home > 村上 春樹、柴田 元幸
- Search

