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200701

58:『刺青・秘密』

刺青・秘密 刺青・秘密
谷崎 潤一郎 (1969/08)
新潮社

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谷崎純一郎、初期の短編集。
題名ともなっている「刺青」が有名だけれど、わたしは、「少年」が、この短編集の中では一番の傑作に思う。
裕福な家庭の姉弟とそれを取り巻く「少年」達の遊びがどんどんエスカレートし、ただの悪ふざけには納まりきらない、肉体的被虐の快楽へと変わっていく様は、衝撃的であった。顔に蝋を垂らすだの、唾を掛けるだの、眉をひそめたくなるような内容が続いても、それをそうと感じさせないのは、上品な敬語による会話と、美しく、踊るようにリズミカルな言葉と、全ての質感を丁寧に捉えた繊細で鮮やかな描写によるものだと思う。これほどまでに美しい日本語があるのかと、うっとりしてしまう。

全体として一番印象に残ったのは、言葉の美しさ、リズムの心地よさ、そして、光と影と、耳へ届く音を伝える丁寧で鮮やかな描写であった。

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