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200706

68:『ロリータ』

ロリータ ロリータ
ウラジーミル ナボコフ (2006/10)
新潮社

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有名な作品であり、新訳として再度注目を集めている。
さらに、この装丁の良さ。
物語のみで564ページ、解説を含めると623ページ。
なかなか分厚い本であったが、なによりこの装丁に惹かれ、購入した。


内容は、中年男の少女への倒錯した恋物語であり、主人公によって書かれたロード・ノヴェルと言った所。
最初と最後が面白い。
最初と最後のテンポは、最高。

第1部と第2部に分かれているのだが、第1部は比較的すらすら読める。ぐんぐん引き込まれる内容で、リズミカルな文体で。
しかし、第2部に入ると徐々に間延びしてきて、回りくどい表現には磨きがかかり、時折出てくる知的な言葉遊びにも飽きてしまった。
ひたすら真っ直ぐ、少女・ロリータに「恋」する、中年・ハンバートの痛々しい言動には、時々苦笑いしてしまうが、帯に書いてある程の「爆笑」は、無かった。

正直に言うと、つまらなかった。
わたしには合わなかったのだと思う。
注釈には、「作品読了を前提に執筆されています。作品の結末に関する言及もあるため、本文読了後にお読みください。」と注意書きされているため、読むことが出来ず、あちこちに置かれた言葉遊びであろう楽しみを理解することが出来なかった。(読了後、注釈を見て、なんとなく理解したような気がしたが。)

物語の内容は、変わった性癖を持つ男性の、純粋な恋物語であり、逃げる少女に追う中年という一貫した筋があるので、理解しやすい。
ただ、表現が、くどい。
それは、原文がそうなのか、訳がそうなのかは不明。
くどい表現は、細かく美しい描写と紙一重とも言える(と、わたしは考える)ので、本作のそれを好むか好まざるかは、読み手次第だろう。
似たような題材である、谷崎潤一郎の「痴人の愛」の方がわたしには読みやすく楽しかった。

今、初めから数ページ読み直してみた。
やはり、冒頭は、面白かった。
初めて読んだ時より、面白かった。
その後出てくる登場人物の名前が、初めてそれを目にした時と違った風に見えるからだろう。
もしかすると、再読する度に面白さが増すのかも知れない。
きっと、一度読んだだけでは、その面白さに気づけないのかも知れない。
ただ、今のわたしには、この本を再読する気力が残っていない。
いたずらなロリータに振り回されたハンバートの、ロマンチックな世界にお腹いっぱいになってしまったので、少し、そこから離れたいのだ。
暫くして、気が向いたら、また読んでみようと思う。
多分、今思っているよりずっと、楽しめると、思う。

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