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80:『倚りかからず』
- 2007-12-03
- 茨木 のり子
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今までは、言葉を楽しみたくて、詩を読んでいました。
詩人の思想を感じる事もまた、一つの楽しみでは、ありましたが。
ですから、この詩集を読み始め、『鄙ぶりの唄』へ差し掛かった時、強い違和感を感じたのです。
それは、美しい言葉を並べる事を優先した詩では無く、
思想を全面に出した、しかも、今正に議論されている思想問題、時事問題を、取り上げた詩だったのです。
現代抱える思想問題について、深く切り込んだ詩はその後も続き、
茨木のり子さんの考えが、強く強く押し出され、
わたしはそれに、ただ、怯えるだけでした。
こんなに強く表現して良いのだろうか、その強さが怖くて、怯えました。
様々な思想の問題に対して、正面から切り込み、真っ直ぐに自分の想いを表現できるのは、まさに、表現者の特権であると言えます。
音楽で表現する人、絵画で表現する人、そういった人々には、慣れていました。
しかし、それを、詩で表現する人は、初めてでした。
こんなにはっきりと、強烈に表現する人は、初めてでした。
そんな芯のしっかりした表現者は、お茶目な一面も見せ、『笑う能力』では、あまりにも共感できて可笑しくて、ついつい笑ってしまいました。
そして、それまで入っていた肩の力が、ふっと抜けるのでした。
怯える程強いのに好きなのは、こういったお茶目な面や、暖かく包み込む優しい面も同じくらい強いから。
だからこうして、次の言葉、次の詩を求めて読み進めてしまうのだと思います。
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