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82:『夫が多すぎて』
- 2008-01-16
- モーム
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戦争で夫を亡くした美しい婦人ヴィクトリア。
亡き夫との思い出を胸に、夫の親友フレデリックと再婚した。
フレデリックも、亡き夫ウィリアムも、どちらも同じくらい愛してる。
そんな妻の元へ、ある日突然、帰ってきた。
最初の夫、ウィリアムが。
美女ヴィクトリアを巡り、壮絶な戦いが始まるのか。
それとも、涙、涙の別れが待っているのか。
どちらもハズレ。
フレデリックはヴィクトリアのワガママな生活にうんざりしていた。
ウィリアムも、ヴィクトリアのワガママな性格を思い出してきた。
結婚する前は、あんなに可愛らしかったのに・・・。
二人の夫は、どれだけ自分が相手よりヴィクトリアを愛しているかとアピールしながら、水面下では、互いにヴィクトリアを押しけ合う。
あくまでも、紳士的に。
そんな二人の様子を見たヴィクトリアは言う。
「二人ともお互いにやきもちを焼かないでね。
私は二人を同じように愛しているのよ。」
ヴィクトリアは愛する二人を傷つけないために、別の人と結婚することを決める。
お相手は、そんなにタイプではないけれど優しくてお金持ちのペイトン氏。
二人の夫は大喜び。
と、そんな様子などおくびにも出さず、
面倒な離婚手続きにも真摯に協力し、
最後までヴィクトリアへの惜しみない愛をにじませる。
ヴィクトリアはランチに出かける。
残された二人の夫は、ペイトン氏からヴィクトリア宛てに届いたランチとシャンパンを拝借し、二人の自由に乾杯。
そこで幕が下りる。
ヴィクトリアは大変美しいが、おとぼけさん。
何でも自分に都合の良いように解釈してしまうので、面白い。
面白いが、いかにも女性らしいとも言える。
そんな女性の身勝手さや男性のずる賢さが、さらりと書かれている。
あちこちの台詞に共感出来て、男性観・女性観は国境も時代も超えるのだなと思った。
相手を傷つけるようなぐさりと来る言葉が無く、どこにも「悪者」がいなかった所も好きだ。
皮肉たっぷりなのに楽しくて明るくて、軽妙なテンポが気持ちの良いお話だった。
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