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87:『絵描きの植田さん』
- 2008-05-22
- いしい しんじ
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少し、不満足。
雪は止んでいた。周囲は窓越しに見るよりはるかに白かった。吐息も手でつかめそうに真っ白い。
目の前に冬の眩しさが広る。
真っ白なだけで、音が聞こえない、晴れた冬の山の中。
後半突然現れる、十数枚連続の「本当の」植田真さんの挿絵。
閉ざされた耳に音が雪崩れ込んでくるような感覚を覚える。
足下ばかり見て進んだ山道の先が一気に開け、樹氷の窪地が広がった場面に通じる。
そこでお話を終えても良いのになあと、思った。
その後の大団円は書かなくても、十分に想像できるし、
ああこの後きっとメリは・・・、植田さんは・・・といろいろ考えを巡らせる方がわたしは好きだ。
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