Home > いしい しんじ > 87:『絵描きの植田さん』

87:『絵描きの植田さん』

絵描きの植田さん (新潮文庫 い 76-6)絵描きの植田さん (新潮文庫 い 76-6)
(2007/11)
いしい しんじ

商品詳細を見る


少し、不満足。


雪は止んでいた。周囲は窓越しに見るよりはるかに白かった。吐息も手でつかめそうに真っ白い。


目の前に冬の眩しさが広る。
真っ白なだけで、音が聞こえない、晴れた冬の山の中。

後半突然現れる、十数枚連続の「本当の」植田真さんの挿絵。
閉ざされた耳に音が雪崩れ込んでくるような感覚を覚える。
足下ばかり見て進んだ山道の先が一気に開け、樹氷の窪地が広がった場面に通じる。

そこでお話を終えても良いのになあと、思った。
その後の大団円は書かなくても、十分に想像できるし、
ああこの後きっとメリは・・・、植田さんは・・・といろいろ考えを巡らせる方がわたしは好きだ。

Comments:0

Comment Form

Home > いしい しんじ > 87:『絵描きの植田さん』

Search

Page Top