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88:『気になる部分』

気になる部分 (白水uブックス)気になる部分 (白水uブックス)
(2006/05)
岸本 佐知子

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名翻訳家によるエッセイ集。
気になること、小さな頃のちょっと悲しい思い出などを、独特の言葉で綴っている。
その言い回しが癖になる面白さ。

読むと共感する部分が多々ある。
たとえば、
『「エレベーター」と「エスカレーター」の区別がつかず、大人になった今でも「エスカレーター」という言葉を発するたびに直前に0.01秒ほどの逡巡がある』
とか、
『「ここから200メートルほど先を右」などという、自分の身長の百倍以上もあるような距離を実感として分かるのが不思議』
など。
そんな、共感できて尚且つ「ちょっと恥ずかしくて人には言えない」と思っていた事が、彼女独特の言い回しで大笑いできる内容に生まれ変わっていて、笑いながら読んでいるうちに「似たような人もいるんだなあ」なんて安心し、幸せすら感じてしまう。
さすが名翻訳家だけあって言葉の選び方に気を遣っているように感じるし、読みやすくできている。
先にも書いたが、癖になる面白さがある。
是非多くの方に読んでいただきたい本。

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